増井千晶 芸能トピックス

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「50秒関ヶ原」の舞台裏は?真田家目線貫いた三谷氏

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天下分け目の決戦、関ヶ原の戦いがたった50秒ほどで描かれた。NHK大河ドラマ真田丸」の大胆な演出にはどんな舞台裏があったのか。制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサー(CP)に聞いた。

 第5話「窮地」(2月7日放送)で描かれた本能寺の変天正10年、1582年)がわずか20秒で済まされ、当時衝撃を持って受け止められたが、関ヶ原の戦いも実にあっさりしたものだった。

 番組終盤、「9月15日、石田三成率いる8万の軍勢は関ヶ原に陣を張った」と有働由美子アナウンサー(47)のナレーション。石田三成山本耕史)が「いよいよだな」と言うと、大谷刑部(片岡愛之助)は「いよいよだ」と応じる。

 次のシーン。再び有働アナのナレーションは「対する徳川家康軍は9万。天下分け目の大戦さが今、始まろうとしている」。徳川家康内野聖陽)の陣が映し出された。

 いよいよ合戦が始まるのかと思いきや、次のシーンは第二次上田合戦で徳川軍を退けた真田軍の祝宴(上田城)。そこへ佐助(藤井隆)が現れ、真田昌幸草刈正雄)や信繁(堺雅人)らに関ヶ原の戦いの結果を報告し、第36話は終了。関ヶ原の戦いは実質たった2シーン、約50秒。合戦シーンはなかった。

 屋敷CPは「今回の関ヶ原の描き方は本能寺以上の衝撃をもって受け取っていただけるんじゃないかと思います」と自信を口にし、「真田家にとったらそうだったかもしれないなという、ものすごいリアリティーがあります。長野で戦争をやってた人が、岐阜と滋賀の県境ですかね?そこであったことを当時の伝達手段で知るというのはそういうこと」と作品の芯である「真田家目線」を貫いたらこうなると説明した。

 とは言え、脚本を担当する三谷幸喜氏(55)から台本を受け取った時は「ここまで潔ぎのいい…すごいな」と衝撃を受けたという。関ヶ原の“当事者”を演じた内野や山本らがどう受け取ったか尋ねてみると「戦う場面にドラマがあるときもありますけど、そういうことを求められているドラマではないことは皆さんわかっているんじゃないですかね。プロセスというか、過程に皆のドラマがあるっていう三谷ワールドのことを出演者の方はわかっていると思うんですよね。そこを楽しんでらっしゃると思います」と話した。